手術前のリハビリを担当していると、患者さんが「手術が怖い」と話すことは多い
手術に至る理由は様々であり、以下に一例を挙げた
- 疾患の治療:例)癌や心臓に対する手術
- 外傷や事故の治療:例)骨折や内臓に対する手術
- 慢性的な症状に対する治療:例)関節の置換術やヘルニアに対する手術
- 予防的な治療:例)動脈瘤の破裂予防に対する手術
- 組織の修復:例)損傷を受けた器官・組織の移植術
現在、私が関わることが多いのは、”外傷や事故および慢性的な症状に対する治療”である
そもそも 手術する という未知の大仕事に対して不安や恐怖を感じることは当然の反応である
私も大した手術ではないが、部分麻酔で治療を受けたときは事前の検査にもドキドキしたし、手術中は意識があることもあって結構怖かった
一方で、「これが終わると良くなる」という明るい未来にワクワクしつつも、手術の最中や術後は「失敗しないかな、後遺症は残らないかな」と不安も感じていた
思い返せば、手術の前から後まで不安は残っていたが、10年以上経った今はさほど気にならなくなっている
では、私が臨床やプライベートで関わっている手術前の方々は、どのように手術に備えているのか?
いくつか、実際に私が教えていただいた取り組みを挙げてみた
- 専門家(主治医、看護師やリハビリ担当者)に話を聞く
- 友人に話を聞く
- インターネットで検索する
- その他
1.専門家(主治医、看護師やリハビリ担当者)に話を聞く
まずは主治医から手術の方法や予後を聞くことである
現場で術前のリハビリを担当していると、患者さんによっては手術の内容が曖昧なまま来られることも少なくない。また、「なかなか先生に聞けない」という経験をする人も多いのではないだろうか?ただ、知ることで不安が解消される場合もあれば、知らないほうが安心するという人もいるでしょうから、自分が何を知りたいかを明確にしておく必要があるかもしれません
他にも、看護師やリハビリ担当者(理学療法士や作業療法士など)にも相談できることがあるでしょう。看護師は手術中から退院にかけて、病態や患者さんの変化を日々観察しています。手術という身体に侵襲を受けた状態に加え、個々の持病や栄養状態など多くの情報を考慮して、どう対応すべきかを知っているでしょう
私は理学療法士であり、術前から術後、退院してからの患部の状態や身体機能の経過をみることを経験しています。それぞれの時期に、個々に合わせたリハビリがあります。術前であれば、手術後はどんな状態・生活になって、どのような経過を辿る傾向にあるかは一般論と経験談を混じえてお伝えすることができます
2.友人に話を聞く
「友人に同じ手術をした人がいたから話を聞いてる」「友達がこんなことを話していた」と患者さんもよくお会いする。類似した体験をした友人がいる場合は、屈託のない意見を提供してくれる。私も悩んだ時は家族や友人に相談するが、いくつか注意が必要である
例えば、3名に話を聞いて全員が「やってよかった」と言えば手術に前向きになるだろうし、全員が「しなければよかった」と言えば後向きになることは想像できる。体験談を聞く場合、その人によって描いていた未来と現実があり、手術が100%ではないことも影響するでしょう。実際に手術後のリハビリでも、「手術をしてよかった」「楽になった」という人もいれば、「こんなことならしなければよかった」「してから調子が悪くなった」という人もいる。
こうした面から、友人に話を聞くことは主観的な背景が影響するので、やはり専門家から医療的で客観的な話を聞くことが優先度としては高いかもしれません。
3.インターネットで検索する
今日、インターネットで病名や術式を検索すると簡易なものから詳細を記載したものまで簡単に調べることができる。医療機関が提供している情報は信頼性も高いでしょうし、SNSでは体験談をたくさん調べることができる。ただ、情報量が膨大なため、誤った情報や自分にとって有意義な情報だけを選択的に取り入れてしまう危険性も含んでいる。私自身も、「ネットで調べてこうだった」「ドラマでみてこうだったのでやってみようと思う」と話されている方にお会いしたことがあり、それがあなたに適しているかは吟味する必要があった。調べることは必要と思いますが、その情報を鵜呑みにはせず、あなたの身体のことを知っている専門家にも相談するといいかもしれません。少なくとも、私は身体だけではなく、心のサポートをすることも医療従事者の役目であると考えています
4.その他
その他にも、気持ちを整理するために「紙に不安を書き出す」、心を安定させるために「カウンセラーを受ける」、怖くなっている自分を責めたり追い込むのではなく「怖さを受け入れる」など様々な方法がある
まとめ~私の視点から~
「手術が怖い」ことは当然のことであり、誰かに話を聞いてもらい、気持ちを吐き出すことは大切だと感じています。思いを溜め込むと不安が募り、気分が悪くなったり憂鬱な気持ちに拍車がかかるかもしれません。私は現場でそうした声を聞いたとき、まずは全部聞くことを心がけています。それだけでも、「少し気が紛れました」「こうして話ながらリハビリをしているときは手術の怖さを忘れられる」と言っていただくこともあります。必要な方には、リハビリテーションの視点から手術前後の生活についてお伝えしています
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皆様の思いを共有し、あなた自身の、そして似た悩みをもつ誰かの一助になれば嬉しく思います


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